日立製作所が年功序列を廃止できない理由
絶好調の日立、なぜ年功序列廃止?首相も異例の後押しで、企業に守られる時代の終焉か | ビジネスジャーナル
で報じられたように、日立製作所が年功序列廃止を宣言しまして、1年あまりが経過しました。実際に年功序列は廃止されたのでしょうか?
結論から言うと、年功序列は廃止されていません。その最大の理由は、降格が無いからです。
降格が無いのに年功序列を廃止できる訳がありません。優秀な入社5年目よりも、既に課長に昇格しているやる気のない40代、50代の方が役職が上なのですから。
課長に昇格するためにはTOEIC※※※点以上という条件があるらしいです。これも既に昇格済みの管理職には関係ありません。TOEIC※※※点以下だからといって降格させられることは無いのですから。
では、年功序列廃止によって、何がどう変わったのでしょうか?それは、課長未満が管理職に昇格し難くなったということです。誰を課長に昇格させるか、それを決めるときに年功序列が一部廃止されたと言えるでしょう。
決して新卒で入社して5年目で課長に昇格できるという訳ではありません。今でも新卒入社で課長に昇格するまでには10年かかります。今まで課長に昇格できていた若手の昇格が遅れる、または昇格できないといった具合に、若い世代に【年功序列廃止】の不利益が押し付けられているわけです。