あるエンジニアのひとり旅

大企業を辞めたエンジニア、研究者のちょっとした日記

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【大企業を退職】サラリーマン生活を振り返ってみた~裁量労働制編~ 

最近,裁量労働制を導入するというニュースを良く目にする.裁量労働制は既に一部の企業,一部の職種では導入済みであり,私が働いていた大手電機メーカーの研究職も裁量労働制を選択可能であった.

 

1) 実体験に基づく私の意見

 横並び主義の日本の大企業に裁量労働勤務は合わない.裁量労働手当は,一律であるのに対し,仕事は優秀な人に集中する.つまり,優秀な人ほど割に合わない制度となっている.

 

2) 裁量労働制の建前

 この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされる。業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用できるとされる。

※引用元

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E9%87%8F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%88%B6

 

3) 裁量労働制の現実

 私が働いていた企業の研究所では,入社5年目以降は裁量労働制になるが,フレックス勤務(残業手当が付く)も選択可能である.裁量労働制度では,残業代の代わりに一定の裁量労働手当が支給される.会社によって異なるらしいが20~35時間の残業代が相場のようだ.仕事量が一定であれば,優秀な人ほど少ない残業時間で,一定額の給与を貰えることになる.

 しかし,日本の大企業ではそうはならない.優秀な人に仕事が集中するからだ.欧米の企業は担当業務が明確だという話を良く耳にするが,日本の大企業では極めて曖昧である.その結果,優秀な人に仕事が集中する.主任クラスが,本来は課長の仕事を担当することも珍しくない.

 裁量労働制を導入するだけでなく,担当業務を明確にする,一定の手当てではなく本当の意味で成果に応じた手当を支給する,といった仕組みが必要だ.優秀な人材の流出を防ぐためにも.